iPhone4sとiPhone4を徹底比較してみた! [iPhone4S]
今回は、
柳谷智宣
さんのiPhone4s体験談を紹介したいと思います。
それではどうぞ!
iPhone 4と4Sの違いをチェックしてみよう。まず、iPhone 4SのデザインはiPhone 4とほとんど同じ。なのに、微妙にボタンの位置が異なり、ケースを買い直しになるのは面倒なところ。しばらくは記事で撮影することもあり、傷防止にケースが必要。早速購入するためにビックカメラに向かった。脱着が簡単そうな半透明の樹脂製ケースがあったので手に取ってみると、パッケージに「iPhone 2011年秋発表モデル」と書いてあった。店員にiPhone4Sのことか尋ねると、わからないという。パッケージを開いて着けてみてくれというので試したところ、大丈夫だったので購入した。iPhone 4Sの正式発表前にパッケージの製造を行なったためだろう。
重量は3g増え、待受時間が300時間から200時間に減少した。とはいえ、3Gの連続通信時間は変わらず、連続通話時間は7時間から8時間までに伸びている。実利用時間はほぼ同じと考えていいだろう。
iPhone 4用のケースだと電源ボタンが半分隠れてしまう。とはいえ、ケースにもよるが使えないわけではない。お気に入りが見つかるまでは使い続ける手もある |
「iPhone 2011年秋発表モデル」がiPhone 4Sのこと。製品はレイ・アウトの「キラキラ ソフトジャケット」。手ごろな価格で2枚の保護フィルムとクリーニングクロスが入っている |
iPhone 4Sの大きなメリットは3つ。デュアルコアCPUの採用、カメラ機能の強化、64GBモデルのラインナップだ。デュアルコアCPUの処理性能は本当に高い。iPad 2と同じくA5プロセッサーを動作周波数を落として搭載しており、ありとあらゆる操作が高速化。アプリの起動やゲームの思考時間、設定画面を開く時間まで、すべてが快適になっているのだ。シミュレーションやボードゲームで気兼ねなくハードモードを選べるのがうれしいところ。
ベンチマークアプリ「Geekbench 2」で計測したところ、iPhone 4が「380」、4Sが「625」と1.6倍の結果に。iPad 2は「756」とさすがのスコアだ。
iPhone 4の測定結果 | iPhone 4Sの測定結果 |
iPad 2の測定結果(参考) |
通信性能もやや向上しているようだ。五反田の事務所ではiPhone 4が下り約1.1Mbps、上りは160kbpsで、iPhone 4Sが下り約1.2Mbps、上りは250kbpsだった。1割ほどiPhone 4Sのほうが高速だったが、ウェブ閲覧時などの体感上はほとんど変わらない。iPhone 4がHSDPA 7.2Mbpsで、iPhone 4SがHSDPA 14.4Mbpsに対応しているため、大きく高速化しているようなイメージがあるが現状はほぼ同じと考えた方がいいだろう。
CPUの処理能力のお陰で、Wi-Fiの接続速度は大幅にパワーアップ。高速無線LANに接続したところ、iPhone 4が18Mbps前後、iPhone 4Sが26Mbps前後という差が付いた。iPhone 4Sではこれまで以上にWi-Fiを利用したい。
通信速度計測アプリ「SPEEDTEST」で計測してみた |
カメラは500万画素から800万画素にアップした。f値は2.4と明るく、より自然な写真が撮れる。動画も720p/30fpsから、1080pのフルHDを取れるようになった。また、動画再生時に、手ぶれ補正が利用できるのもポイント。静止画の連続撮影も可能で、シャッターチャンスを逃さずに済む。
「iPhone 4と何が違うの?」と言われたら、室内などの暗い場所ならフラッシュなしで撮影した写真、明るい場所ならフルHDの動画を撮って見せてあげよう。少なくともiPhoneの画面では、デジカメに匹敵するクオリティの映像なので驚くはずだ。
カメラ機能が大幅にアップした |
とはいえ、標準カメラのシャッター音は相変わらず大きく、レストランで料理の写真を撮るのは気が引けてしまう。そこで筆者はシャッター音が小さいアプリを活用していたのだが、iPhone 4Sでも問題なく動作したので一安心。「超微音カメラ」では連射はできなかったが、キレイに撮影することはできた。標準カメラの大音量は盗撮防止に何の役にも立っていないのだから、調節可能にして欲しいところだ。
「超微音カメラ」で撮影 |
iPhone 4Sはメモリー容量が16GB、32GB、64GBの3モデルから選べる。iPhone 4は32GBだったが、アプリでほとんどの容量を使ってしまい、写真や動画、電子書籍などをほとんど保存できずに苦労していた。クラウドサービスを活用してしのいでいたが、64GBモデルがあるならもちろん決まり。今まではサイズが大きいアプリを削除したりしていたが、しばらくは気にせず利用できそうだ。
64GBの容量があれば、必要なアプリやデータを余裕で持ち運べる |
iPhone 4が登場した時に問題になったアンテナ周りも改善されているという。ヘッドフォン端子の隣にあったアンテナの切り込みがなくなり、その代わりに両サイドの上部に1ヵ所ずつ追加された。屋外や自宅で使っている分には違いがわからなかったが、ある地下のお店に入った時に驚いた。iPhone 4が圏外なのに、iPhone 4Sのアンテナが立っているのだ。時間がたってもそのままなので、さすが! と大騒ぎしたが、何故か通話も通信もできなかった。結局、違いはわからなかった。
iPhone 4Sは側面に2ヵ所ずつアンテナの切り込みが入っている |
auとソフトバンクのどちらにするかも悩みどころだろう。よく質問されるところだが、筆者がソフトバンク版を購入したと答えると100%「何で?」と聞かれる。自分としては、お笑い芸人と同じく、致命的な目に遭ったら遭ったで記事のネタになるのでいいわけで、あまり考えずにソフトバンクにしたのだ。
IT関係以外のメディアもこぞってiPhoneネタを取り上げている |
あえて理由を付けるなら、ソフトバンクに付与されるプラチナバンドにより、電波状況が一気に改善されることを待望していることが挙げられる。まだ正式に割り当てられたわけではないのに、設備の発注と設置に動き始めていることからも、本気度がうかがえる。あとは、HSDPAの14.4Mbps対応にも淡い期待を抱いている。auは最大速度が3.1Mbpsなのがややネックだ。
電波のつながりやすさで比べるなら、もちろんauだろう。筆者は主に東京で活動しているので、ソフトバンクのiPhoneで問題はない。ただ、地下鉄に乗っている時にはつながらないし、駅に着いても電波を拾うまでに時間がかかり、停車中に通信が終わらないことがほとんどでストレスが溜まる。その点、auなら駅からそこそこの距離まで電波が飛んでいるので、停車中にメールの送受やTwitterの更新が行えるのが便利だ。
auは今の所、テレビ電話の「Facetime」が利用できない。将来は対応するとのことだし、そこまで必要な機能ではない。気になるのは、通話中はデータ通信ができないという規格上の制限。話をしながらメールを送受信したり、ウェブで検索するといったことができないのだ。従来のアプリが、データ通信が切断されることでどんな挙動がでるのかもよくわからない。これから情報が集まってくるし、アプリもアップデートされることだろう。
料金は両者ともに複雑だが、結局はほとんど同じ。デメリット・メリットはあるが、どちらを選ぶべきかはっきりと言えるほどの差は付かないだろう。今まで使っているキャリアを続けてもいいし、キャッシュバック目当てにMNPしてもいい。頻繁に通話する友人や恋人が契約しているキャリアにすればタダで通話できるのも大きな理由になる。
どちらのキャリアを選ぶかはその時の環境次第 |
iPhone 3G/3GSのユーザーなら、ぜひ乗り換えて欲しい。A5プロセッサの威力はすさまじく、絶対に満足する。iPhoneを狙っている人も、安いことだしデビューしてはいかがだろうか。一方、すでにiPhone 4のユーザーなら、急いで乗り換える必要はないかもしれない。いろいろと強化されているが、数万円も支払う価値があるかどうかは微妙なところだ。au版とソフトバンク版の趨勢を見たうえ、iOS 5のバグフィックスを待つ手もある。
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